最近の「椅子シリーズ」について / About “Chair Series”

Chair series - illustration by Takanori Suzuki(スズキタカノリ)

最近よくモノクロで椅子が描かれた風景を描いています。オリジナルの椅子を考えて描くこともありますが、だいたいは20世紀の有名な有名な椅子を描いています。それも全て一人がけ用のものを。

きっかけは前に資料用として、ひたすら椅子の写真だけを集めた画集を買ったこと。椅子の大きい写真と、下に小さく椅子のデザイナーと製造年、販売店などが描かれているだけのシンプルな本ですが、500ほど様々な椅子が紹介されていてとにかく見ていて飽きません。

私のここ半年くらいの絵のスタンスとして、なるべく背景を描くようにすることが多いです。空間(空気感?)を描きたいという気持ちがあります。

私の場合、小さい頃におもちゃのフィギュアやレゴブロックで遊ぶのが好きで、その記憶が空間を描きたい、という欲求の源になっている気がします。フィギュアやレゴの小さい人形にとって、例えば家にある積まれた本はビルだったり崖だったり巨大な敵になったりするわけです。そのフィギュアがいる空間を好き勝手に想像するのが好きでした。

それゆえ人間の空間−人間が配置される空間・人間を囲む人間にとってリアルな空間を絵に表していくのが好きなのです。

そんな中で椅子というのは、ちょうど人間ひとりのサイズに合わせて作ってあり、しかもデザイン的にも優れていて、空間の主役として引き立つのに気がつきました。人間を描かなくても人間を感じるもの、それが椅子。椅子には人間の余白があります。

そういうのに惹かれて椅子を描いている、というのが最近のイラストレーションの流れでした。

Chair series - illustration by Takanori Suzuki(スズキタカノリ)

ちなみにサイトにある作品たちはモノクロでデジタルで描かれているのですが、展示などもしていきたいと考えているので、B2の大きいイラストボードにアクリルで写した物も制作しています。

(英訳は後日)